[ONE PIECE] ヴィンスモーク家の血統因子操作について考察してみた

最近のワンピースがとても心躍る展開になっています。というのも、初期からのメンバーであるサンジの過去が明らかになったんですよね。回想編は84巻に収録されています。

サンジといえばこれまで、コミックス5巻~8巻収録で描かれた海上レストランバラティエでの”育ち”が主な過去でした。しかし東の海で出会ったサンジが北の海出身だったり、悪魔の実の図鑑を読んだことがあったりと、”生まれ”に謎の多いキャラでもありました。

今回判明したサンジの”生まれ”は、ジェルマ66と呼ばれ、戦争屋を生業とする回遊国家の王子というもの。3歳年上の姉と、3人の4つ子の兄弟がいるという事実が発覚しました。

このサンジを含む5姉弟たちは、最高科学者Dr.ベガパンクの発見した「血統因子」の操作によって、人間を超える存在として生み出されたことがわかっています。この血統因子操作について、考察してみたいと思います。


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1.血統因子とは

ワンピース84巻840話でサンジの弟・ヴィンスモーク家四男のヨンジが「血統因子」について言及しています。

尾田栄一郎『ONE PIECE』84巻(集英社)
尾田栄一郎『ONE PIECE』84巻(集英社)

「生命の設計図」という発言、また背景の描写を見るに、「血統因子」とはこちらの世界で言う「DNA」であると考えてよさそうです。

上記シーンの文脈は、ジェルマ66の屈強な兵たちが実は培養液の中で作られたクローン兵だという事実について語っています。しかしながら、サンジたち姉弟の出生についても「血統因子」が関わっていることは自明です。

さらにヨンジが言うには、サンジの父・ジャッジはこの「血統因子」技術をもとに「命」の”コピー”と”改造”について研究を続けた、とあります。

“コピー”の成果がクローン兵。一方の”改造”の成果が姉弟たち、というわけです(クローン兵自体も”改造”されている可能性はありますが、ヨンジは「たった数名の優れた兵士達の”コピー”」と言っているので、ここはそのまま受け取ればいいのではないかと)。

つまりサンジたち4姉弟は、こちらの世界の言葉で言えば、DNAを操作されたデザイナーズベビーというわけですね。

2.ヴィンスモーク姉弟の”デザイン”考察

ヴィンスモーク家の子供たちがデザイナーズベビーということは、彼らの特徴はいずれも”意図的にデザインされた性質”か”副作用”のどちらかであると捉えることができます。

まあ、実際のプログラミングでは設定漏れが起こったりもするので、本当にどちらか一方でしかないと断言はできません。しかし”設計”とは”意図”なので、彼らの存在には通常の人間よりはるかな量の”意味”があると考えられます。

そういう観点で姉弟の特徴を見てみます。

2-1.「女好き」は合理的遺伝子操作?

サンジはもはや病気の域ではないかと思えるほどの「女好き」です。今回登場したサンジの4つ子の兄弟も、同じく「女好き」です。ナミを目にした兄弟たちは一様に目からハートが飛び出ています。一見硬派な印象を受ける長男・イチジまでも同様の反応です。

尾田栄一郎『ONE PIECE』84巻(集英社)
尾田栄一郎『ONE PIECE』84巻(集英社)

似たもの兄弟だなあ…で済ますこともできますが。これって、生存競争に優れた種を生むという意味では、けっこう合理的なのかもしれません。

長い歴史の中で、生命は「生き残ること」を第一として進化してきました。この「生き残ること」は、個ではなく種を指します。平たく言えば「どれだけ繁殖し、繁栄できるか?」ということです。

ジェルマは王国なので、世継ぎを絶やすわけにはいきません。せっかくデザインした優秀な遺伝子も残していかなければ意味がありません。「女好き」という性質を与えることで、子を残す確率はぐっと上がるでしょう。数撃ちゃ当たる戦法です。

…まあ、クローン技術があるんだから、姉弟たちのクローンで国家存続すればいいんじゃないかという元も子もない話もありますけどね。

2-2.非合理的な珍しい血液型

一方で気になるのが、4つ子の血液型です。

魚人島編において、サンジはS型RH-というワンピース世界では珍しい血液型を持つことがわかりました。こちらの世界で言うところのAB型RH-ですね。

イチジ・ニジ・ヨンジもサンジと同様、S型RH-であることが84巻SBSで明らかになっています。

この”珍しい血液型”は、種の保存の観点から言えば、あまり合理的ではありません。事実サンジはこれが原因で命を落としかけたことがあります。

普通に生まれて珍しい血液型なら何も思いませんが、彼らはあくまで”デザインされている”のです。血液型だって「血統因子」の設定項目に含まれているだろうに、わざわざ輸血適合性の低い血液型にする意味はあるのだろうか、と疑問に思います。

デザイナーズベビーを作るにあたっての制約かなあと思いましたが(S型RH-でないと拒絶反応を起こして受精卵が育たないとか)、同じくデザイナーズベビーである長女・レイジュの血液型は、よくあるF型です。

魚人島での輸血拒否騒ぎの演出のため、という、これもまた元も子もない話なんですかね…。

2-3.外骨格とは昆虫の血統因子によるもの?

ヴィンスモーク姉弟に付加されている特徴に、”外骨格”なるものがあります。

こちらの世界で外骨格といえば、主に昆虫にみられる皮膚に付随した骨格構造を指します。

ONE PIECE世界での外骨格が厳密にどういった体組織を指すのかはまだわかりませんが、これまで出てきた描写では「とにかく表面が硬い」ようです。純粋に戦闘力と防御力を高めるための改造と思われます。

遺伝子操作で外骨格を与える…と聞いて思い浮かんだのはテラフォーマーズです。ゴキブリと戦うアレです。

テラフォーマーズは火星のでかいゴキブリに対抗するため、昆虫をベースにしたM.O.手術(モザイクオーガン手術)という人体改造手術を施された人たちの話です。この手術を受けると強化アミロースの甲皮ができて丈夫になるんですね。強化アミロースの甲皮≒外骨格といえるでしょう。

ヴィンスモーク姉弟にも昆虫の「血統因子」が組み込まれている可能性があるかもしれません。

たとえば82巻826話でレイジュ・ヨンジが初登場した際、ルフィの毒物をレイジュが吸い上げた以下のシーン。

尾田栄一郎『ONE PIECE』82巻(集英社)
尾田栄一郎『ONE PIECE』82巻(集英社)

なんかちょっと、っぽい。

また、ヴィンスモーク姉弟は各々特殊能力を持っているようで、レイジュが前述の通り毒を吸収できたり、次男・ニジは放電できるような描写があったりします。

この能力が悪魔の実に由来するものかどうかは執筆時点では明らかになっていません。しかし、少なくともヨンジは悪魔の実を食べていません。82巻826話で海に落ちても平気だったからです。

外骨格や特殊能力については、本編で明らかになるのを待ちたいところです。


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3.伏線?パシフィスタを前にしたサンジの反応

5巻でワンピースに初登場したサンジの素性が、連載17年経って81巻以降明かされてきたという、今回のヴィンスモーク一件。

サンジについて何らかの裏設定があったのは初期からだとは思います。最初にサンジが北の海出身だと触れられたのは25巻227話。その少し前、アラバスタ編ではサンジが「Mr.プリンス」を名乗るなど、伏線と思われる箇所はいろいろと散見されます。

そもそもバラティエ編の回想時点で10歳の少年がコック見習いとして客船に住み込んでいるというのもおかしな話です。”それ以前”が元々考えられていたことは明白でしょう。

じゃあこの「血統因子」関連の設定はいつからあるのかという点。今回の展開を受けてワンピースを読み返してみると、52巻511話に気になるシーンがあります。

尾田栄一郎『ONE PIECE』52巻(集英社)
尾田栄一郎『ONE PIECE』52巻(集英社)

Dr.ベガパンクがバーソロミュー・くまをもとに作った”パシフィスタ”という人造兵器について、フランキーが「双子の兄弟か、もしくはスーパーそっくり人間」や「”人間”そのものは造れやしねェ」と発言した後のサンジの反応。何か思い当たる節があるように見受けられます。

サンジがジェルマを脱出したのはわずか8歳のときで、当時はクローン兵製造工場の存在も、父・ジャッジがDr.ベガパンクと共同研究していた過去も知りませんでした。

とはいえ、「研究の粋を集めた科学の操作により人間を超える存在として生まれた」と言われながら、人為的に才能を与えられた4つ子と共に育っていたわけです。パシフィスタを前にしたとき、サンジの脳裏に自らの生い立ちがよぎったことは間違いないでしょう。少なくとも52巻時点ではジェルマの具体的な構想はあったと考えられそうです。

今後さらにヴィンスモーク家の詳細が明かされるのが楽しみです!

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