ゴミだと思って拾ったものがカメムシだった

突然の自己紹介ですが、私は24歳まで都会にしか住んだことがありませんでした。

この場合の都会とは、徒歩10分圏内にコンビニと最寄駅があることと定義します。異論は認めますが、とりあえず定義します。

そういう意味で、私は都会にしか住んだことがありませんでした。

しかし今住んでいる場所はコンビニも最寄駅も徒歩40分というクソ田舎です。ただの徒歩40分ではなくて、山を降りなければならない徒歩40分です。つまり帰りは山を登らなければいけないということで、たぶん徒歩40分では帰れません。車がなければ生活できないクソ田舎、それが今の住処です。気がついたら4年経過しました。二十代半ば以降の時の流れの早さにびっくりです。

都落ちしてみると、都会にはない田舎だけの常識がゴロゴロ転がっていることに気がつきます。そのうちのひとつが、カメムシという常識です。

いろいろ端折って言いたいことを先に言うと、先日茶色いこたつ布団になにやら茶色い塊があって、「ほつれたのかな?」と思って拾い上げたら、それはカメムシでした。素手でカメムシを掴んでしまったわけです。

これって端的に言って悲劇です。地味だけど強烈な悲劇です。悲劇が起こったので、「そうだ、ブログに書こう」と思い立ったわけです。つまり言いたいことはこれで終わりです。「素手でカメムシ掴んじまった!!!」

…それだけでは「だからどうした」感が半端ないので、ついでにカメムシについて知っていることを書こうと思います。


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1.カメムシは臭い

なぜカメムシを素手で掴むことが悲劇なのか。それは単純明快、カメムシは刺激を受けるとものすごく臭いナニカを放出するからです。

ナニカでは何なので、ナニを出しているのか調べてみました。

単純にひとつの物質というわけではないようですが、主成分はトランス-2-ヘキサナールという物質です。別名青葉アルデヒド。

トランス-2-ヘキセナール(trans-2-Hexenal)は脂肪族アルデヒドの一種。異性体のシス-3-ヘキセナールとともに青葉アルデヒドの別名を持ち、草や葉のにおいの主要な成分である。天然にはキュウリやトマト、キャベツなどの野菜類、リンゴやバナナ、イチゴなどの果物、茶葉などに存在する[2]。カメムシの匂いの主成分でもある[3]。消防法による第4類危険物 第2石油類に該当する[1]。
トランス-2-ヘキセナール|Wikipedia

第4類危険物だそうです。半数致死量は750mg/kgとのこと。

野菜や果物や茶葉に含まれる、草っぽい臭いの元、と言ってよさそうです。しかしことカメムシの臭いとあっては草っぽいどころの話ではありません。あれはなんというか、「カメムシ臭」としか言いようのないアレです。

ただ臭いだけならまだしも、カメムシの臭いは簡単には取れません。成分的にも脂溶性物質なのでまず水洗いでは無理で、じゃあ洗剤でゴシゴシすればOKか?というと、そうでもない。洗剤で洗ったあとも臭いは残り(あるいは周囲の布製品についてしまっているのかもしれませんが)、お風呂と洗濯を経てようやく気にならなくなるといった寸法です。基本的には一晩かかるし、日々の洗濯対象でない布製品に臭いがついてしまった場合は、それ以上かかることもあります。

だからこたつ布団にくっついたカメムシを素手で掴むという今回の出来事は、全力で悲劇なわけです。

2.カメムシは衣服に潜む

カメムシの厄介なところは、畳んである衣服に潜り込んでいることがあるところです。

以前の職場(家よりもう少しだけさらに田舎)でこんなことがありました。

当時の直属の先輩が、出勤してくるなり「ごめん時間休取るわ!」と言い出しました。何ぞや?と思って理由を尋ねると、出勤しようと車に乗り込んだところ、袖口からカメムシが出てきて咄嗟に潰してしまったというのです。

そう、奴らは置いてある衣服に潜むのです。そしてその強烈な臭いによって、貴重な有休をも消費させるのです。

今回はこたつ布団が犠牲になりましたが、私自身、着ようと思った服にカメムシがくっついていた経験があります。着る前に気付いたので有休は取られませんでしたが、危ないところでした。


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3.カメムシがいっぱい出るとその冬は雪がたくさん降る?

ある程度カメムシが出て、ある程度雪の降る土地では、さも当たり前のように交わされる会話があります。

村人A「今年カメムシ多くない?」
村人B「せやな、今年は雪がよう降るわ」

初めて聞いたときは、もちろん「はあ?」と思いました。

この会話が交わされる時期はだいたい11月頃、風がもう冷たいね、日差しが穏やかだね、という季節になった頃です。カメムシがたくさん出ると、その年の冬は雪が多い。どうやらこれは常識のようです。

しかしこの土地に住んで4回目の冬が終わろうとしている今、4回の冬のうち4回ともこの会話したぞ?という経験則しか私にはありません。

少なくとも都会出身の私にとっては、4回ともカメムシはよく出たし、4回とも雪はよく降りました。少なくとも都会出身の私にとっては

世の中にはこの常識なんだか迷信なんだかよくわからない説を統計学的に証明しようとしている人はたぶんいると思います。が、私はあえて経験則に基づいた結果だけを叫びたい。それ、たぶん気のせいやで。

4.カメムシはガムテープで撃退する

これも前の職場の話ですが、職場にカメムシが出て「うわっ、カメムシ!」と叫ぶと、徐にガムテープを手にしてカメムシを撃退する人が複数いました。

これ、文字ではなかなか伝えにくいのですが、「うわっ、カメムシ!」→ガムテープを掴む→カメムシを葬るという流れがものすごくなめらかなんですよ。予定調和とはまさにあのこと。「うわっ、カメムシ!」と叫んだ都会育ちだけが置いてけぼりを食らう、美しい予定調和です。

その行動を取る人々に聞いたところによると、たとえばティッシュで撃退してしまっては臭いが漏れると。ゴミ箱も臭くなってしまうと。その点、ガムテープで瞬時に包み込めば臭いが漏れない、という、ある程度残酷な合理性を持っておりました。

5.まとめ

そんな感じで、カメムシの出没する地域にはそこだけに流通する常識がいくつかあります。カメムシは大嫌いですが、自分のまったく知らない常識に出会ったときの、ちょっとした時空の歪みは嫌いではありません。

人生とは、置かれた環境に適応した知識や技術を身に着けていくことなのかもしれないなあというのが、4回目の冬の感想です。まあ私はティッシュでカメムシを撃退しますけどね。

この投稿のカテゴリーは 思うこと 、投稿者は おさみ です。ブックマーク用 パーマリンク

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